宮城谷 昌光(みやぎたに まさみつ、1945年2月4日 – )は、日本の小説家、歴史小説・時代小説作家である。古代中国の偉人にスポットを当てた作品を得意とする。代表作に『重耳』、『孟嘗君』など。

最初は恋愛小説などを書いており、またフランスの現代思想家たちの著作を愛読していたが、次第に歴史に関心が移り、歴史小説を書くようになった。『史記』をはじめとする漢籍を修めただけでなく、白川に深い影響を受け金文や甲骨文字まで独学で学んだ。『史記』全文を筆写したことがあるという。殷、周、春秋戦国時代など古代中国に素材を求めた作品が多い。1990年代に入ったとたん、長い不遇が嘘のように一躍ベストセラー作家の地位を占めた。

近年は日本の戦国時代を題材にした作品も手がけているが、主に自分の郷里である三河を舞台とした作品を執筆している。なお、日本史作品の執筆にあたっては、それまで使用していた「中国史資料用」とは別の書庫を準備し、「これが完成するまでは日本史作品には手をつけない」と心に決めていたという。

『王家の風日』が500部刊行にも関わらず司馬遼太郎の目に止まり、はがきを受けている。また、『天空の舟』は司馬の激賞を受けた後、知人の経営する中小出版社から出版され、この作品が出世作となった。その後、自分の作品が刊行される度に司馬に送付しており、その度にはがきを受けたという。

・1990年、『天空の舟』で直木賞候補。
・1991年、『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で第105回直木賞受賞。
・1993年、『重耳』で第44回芸術選奨文部大臣賞受賞。
・1996年、「中国歴史小説の分野に新境地を開く作家活動」の功績で中日文化賞受賞。
・2000年、第3回司馬遼太郎賞受賞。
・2001年、『子産』で第35回吉川英治文学賞受賞。
・2004年、第52回菊池寛賞受賞。
・2006年、紫綬褒章受章。
・2016年、第57回毎日芸術賞受賞。

宮城谷昌光 / Miyagitani Masamitsuの長編小説

・ 天空の舟 小説・伊尹伝 (1990)

・ 侠骨記 (1991) 短編集

・ 王家の風日 (1988)

・ 夏姫春秋 (1991)

・ 孟夏の太陽 (1991)

・ 沈黙の王 (1992)

・ 花の歳月 (1992)

・ 重耳 (1993) / Jyuuji 全3巻

・ 晏子 (1994) / Anshi 全4巻

・ 介子推 (1995) / Kaishisui

・ 孟嘗君 (1995) / Mushoukun 全5巻

・ 長城のかげ (1996) 短編集

・ 玉人 (1996) 短編集

・ 楽毅 (1997) 全4巻

・ 奇貨居くべし (1997) 全5巻

・ 青雲はるかに (1997) 上下

・ 太公望 (1998) 全3巻

・ 華栄の丘 (2000)

・ 子産 (2000) / Shisan 上下

・ 沙中の回廊 (2001) 上下

・ 管仲 (2003) / Kanchu 上下

・ 香乱記 (2004) / Kouranki

・ 三国志 (2004) / Sangokushi